スタッフ紹介

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TBSテレビ 「噂の東京マガジン!」
ディレクター
中野 雅樹 (2004年度入社 大阪芸大 芸術部 卒業)

 

nakano01ある日の黄昏時。私はバスに揺られながらオレンジ色に染まった外の風景にぼんやり目をやっていました。バスはスーパーの前の停留所で止まり、学校帰りの学生や買い物帰りのおばちゃんを乗せて、たちまちすし詰め状態になりました。

 

それからいくつかの停留所をやり過ごした後のことです。走るバスのアナウンスが「次は○○一丁目、○○一丁目です」と流れました。誰もボタンを押しません。すると私の横でぎゅうぎゅうになっていたおばちゃんが突然きょろきょろと落ち着きをなくし始めたのです。次の停留所で降りたいのでしょう、しかしおばちゃんからボタンはかなり遠く、おまけにおばちゃんの両手は買い物袋で塞がっています。そうこうしているうちに停留所はもう目の前です。
あわてふためき首をぶんぶん振り回すおばちゃんを助けようと私がボタンに手をのばしかけたその時、おばちゃんがこう叫んだのです!!
「ピ、ピンポーン!!」
相当あわてていたのでしょう、ボタンが押せない今、大声で伝えるしかないととっさに判断した彼女は「降ります」ではなく「ピンポン」と叫んだのです。魂の叫び、一人のおばちゃんの本音を聞いた、そんな夕暮れ時のことでした。

 

ご挨拶が遅れました私、2004年入社の中野雅樹と申します。今日は私の、下手な文章ではありますが、仕事への意気込みを書かせていただきます。私は現在、「ジャスト」という番組の製作に携わっております。とは言ってもまだまだ一人前に仕事を出来るわけではなく、先輩方の一挙一動を必死にメモしているだけですが、毎日が新鮮であり、働くことのできる喜びをふつふつと感じています。

 

さて、私がどうしてこのテレビの仕事に就こうと考えたかをお話したいと思います。冒頭の文章で「おい中野、一体何の話だ?」「おい中野、こんな時間までどこ行ってたんだ?」とお思いのみなさん、説明いたします。私は番組を作る上で、人々の抱える「本音」をえぐり出して行きたいと考えているのです。

 

本音というものはなかなか言い出せなかったり聞き出すことが難しかったりと、お目にかかりにくい代物であります。しかし、一人ひとりが確実に持っているものではないでしょうか。移り変わりの早い流行も、きっと誰かや集団の本音によって生まれているのだろうし、どんな犯罪にだって犯人の本音があってのことでしょう。そういう気持ちや言葉等をテレビを通して多くの人々に伝えることができたら、どんな不可解な出来事でも理解に導いていくことができるのではないかと思うのです。「本音」は時に単純すぎるものであったり、チャーミングであったり、耳を塞ぎたくなるような醜悪な内容のものもあるでしょう。しかし、人の気持ちの真実である本音をありのままに伝えるということは、テレビを含むメディアの使命の一つではないかと考えるのです。

 

その上で私は、具体的なプランも、その方法さえ持ち合わせてはおりませんが、人間の本音をえぐり出すような番組を将来作ってみたいと思っております。本音は何かを考える力を持っていると確信しております。ほら、みんなを乗せたバスだって、一人の叫びで止まったのですから。

 

拙い文章で恥ずかしい限りですが、そろそろ失礼いたします。今はまだ半人前で何一つ満足にはこなせませんが、もはやプロとして働く身であるという自覚と責任をもって精進していこうと思います。